「この先どこへ行ってもイジメはあるよ。」
不登校時代の私に、フリースクールにいた元校長先生が言いました。
「このおっさんまじかよ」と当時は思いましたが、いまのところマジです。
今日はいじめについて考えてみたいと思います。
校長先生の話
「君たちの中にはイジメが原因で学校に行けなくなった子もいるかもしれないけど、イジメはどこに行ってもあるから。
大人の世界でも普通にあるし、一生なくならないよ。」
イジメで学校に行けなくなった生徒を前にして、マジかよこのおっさん。
当時私はこう思っていました。
10年経ったいまとなって考えてみると、その通りだと思います。
なぜイジメが起こるのか考えてみる
いじめるサイドの観点で3つの理由を考えてみました。
- 報復
- 嫉妬
- 仲間意識
1.報復
ターゲットとしている相手から過去に気にいらないこと・許せないことをされたことをきっかけにイジメを行う。
例:プライドを傷つけられるような一言を受け許せなくていじめる。
2.嫉妬
自分にはないものを持っている相手に対してイジメを行う。
劣等感が始まり。
例:クラスの人気者がある日急にいじめられる。
経験上、中学に入り小学校で形成されたカーストが崩れ起こるケースが顕著。
3.仲間意識
特定の誰かを複数でターゲットにすることにより、複数の間で仲間意識が芽生える。
例:仕事でミスばかりしている人をみんなでハブる。
大人になってからのイジメに関しては、この「仲間意識」ゆえにイジメをしてしまっているケースが圧倒的に多いです。
標的を作ることで仲間意識が生まれる
悲しいかな、標的を作ることで急に距離が縮まることって多いです。
例えば飲み会での話。
顔は見たことがあるけれど一度も話をしたことがない人と話す機会ありますよね。
はじめは何を話したらいいかわからないので探り探り話をしています。
途中、共通の知人がいることがわかりました。
Aさんとしましょう。
まだ相手とAさんの関係性の深さを知らないので、障りのない話題を話しています。
ふと、一方がAさんの愚痴をこぼしてしまいました。
するともう一方も、
「実はさあ...」
と一気に話が進み、帰るころには意気投合。
こんな経験ありませんか?
共通の趣味などポジティブな話題で盛り上がったときと、共通の標的がいて盛り上がったときの初対面からの親密になれる度合いは4:6くらいで後者が強いです。
自分たちの方が優秀だと確認しあいたい
共通のターゲットがいると親密になるきっかけをくれると書きましたが、親密になってからもイジメは続きます。
「あいつより自分たちの方が優秀だ。」
そう思いたいのです。
ひとりで「自分の方が勝っている」と考えるのはどこか心もとないです。
仲間として確認し合うことで、「やっぱり自分たちの方が勝っている」と確認したいのです。
結局イジメはなくならない
結局イジメはなくなりません。
「イジメ撲滅に向けた取り組みを行います。」
とメディアに発信している教育委員会や校長も、どこかのコミュニティでは加害者であり、いじめられることを恐れてもいるのです。
不登校時代を経て感じているのは、
「誰かがいじめをなくしてくれる。」
と思うのは意味がないということ。
「誰かがなんとかしてくれる思考」は危険です。
受身な人間となり、生きていくのが大変になります。
同様に、
「いじめがなくなったら学校にいける。」
というのは無理だということ。
自分がいじめのターゲットから回避されても別の場所でいじめはあります。
「私はいじめられなくなったからオッケー」
と今度は加害者側になってしまったのでは人間的に終わってます。
いじめはなくならない。
いじめに苦しんでいる人は、いじめはなくなるという希望的前提をいちど疑ってみてください。
そこで自分はどうするのか。
この答えが見えたときに、成長した自分に出会えます。